行きゅんにゃ加那

行きゅんにゃ加那 我きゃ事忘りてぃ
行きゅんにゃ加那 打発ちや打発ちゃが
行き苦しゃ スラ行き苦しゃ
母と主 物召やしんしょんな母と主
米取て豆取て 召しょらしゅんど
スラ召しょらしゅんど
目ぬ覚めて 夜や夜ながと 目ぬ覚めて
汝きゃ事思めばや 眠ららぬ スラ眠ららぬ
鳴きゅん鳥ぐゎ 立神ぬ沖なんてぃ
鳴きゅん鳥ぐゎ わきゃ加那やくめが
生きまぶり スラ生きまぶり
(奄美民謡)

奄美民謡。加那は「愛しい人」の意。別れの際を嘆き悲しむ西洋の歌曲のようにも聞こえる。だが今生の別れは終わりではない。別れた人に思いを寄せることは再会の時が近づいていることでもある。呼びあう魂を歌う。